週刊朝日2016年2月5日号で、茜会が取り上げられました
70歳を目前にし、小倉さんは中高年専門の結婚情報サービス「茜会」に入会。
そこで数人とお見合いをした。
「なかなかうまくいかなかったけど、半年経って会主催のパーティーに参加ら、運命の人がいた!」
-引用:株式会社朝日新聞出版 週刊朝日2016年2月5日号 p156-p157-
都内在住の小倉さん(72)は、4年前に4歳下の女性と付き合い始めた。
「最近、若返ったって周りに言われるんです」
確かに肌の血色がいい。小倉さんは約10年前に仕事をリタイアし、5年前に38年連れ添った妻をがんで亡くした。長女、長男、次女、と3人の子供がいて、妻の死後は未婚の次女と暮らしていたが、やがて次女が自立。途端に孤独を感じた。
「このまま話し相手もいないのは寂しすぎる」
70歳を目前に控え、小倉さんは中高年専門の結婚相談所「茜会」に入会。そこで数人とお見合いをした。
「なかなかうまくいかなかったけど、半年経って会主催のパーティーに参加したら、運命の人がいた!」
会場の扉を開けたとたんに、ある女性に釘づけになった。なんて上品・・数歳違いの彼女に一目惚れ。聞けば彼女も夫と死に別れて、子供は同じく3人。
「すぐにデートに誘いました。ディズニーランドに行きませんかと」
待ち合わせた舞浜駅でドキドキ。果たして彼女は、お洒落をしてやってきた――それからずっと小倉さんは彼女と一緒だ。だが付き合って数か月後にすったもんだがあった。
「入籍を視野に入れ、子供に紹介するために会食を予定した。そしたら前日に彼女が断ってきたんです」
彼女の言い分はこう。
「互いに子どももいて、縛られるのは本意ではない」
交際そのものが途絶えそうになり、慌てた小倉さんは、「籍は関係なくおつきあいを」と綴った。それを彼女が承諾し、互いの子供に「会うことなく」二人だけの思い出を作っている。事実婚の始まりだ。
「毎月一回、彼女が家に泊まりに来るんですが、濃密な時間です。僕は名前で向こうは、あなた、と呼ぶ。
毎日一緒にいないので3年経っても新鮮で」
泊まりに来るたびに愛を育み、滞在中に彼女は大きな鍋でシチューやカレーを10日分くらい作ってくれるのだという。互いの生活費には関与しないが、旅行に行く際は小倉さんが支払う。京都や上高地などに今まで17回も旅をした。しかし今生こんなにラブラブな2人も、死後は別だ。
「僕は代々の墓に前妻と、向こうは前夫の墓に入る」
小倉さんは今も前妻の月命日に墓参りを欠かさない。そこに彼女は同行しない。子供たちに相手の連絡先も伝えていない。
「毎晩8時に電話を僕からかけていけど。その後に倒れたりしたら・・そのまま会えなくても仕方ない」
茜会の社長、川上喜彦さんによれば、60歳以上の会員は51%(2015年)。熟年層の婚活相談は着々と増えている。
「とくに、籍を入れない事実婚や通い婚でのパートナー探しが増えています。80代まで会員さんがいますが、生活が出来上がり、孫もいる世代になると籍をいれる難しさもあるのです」
若い時と違い、誰かに急かされることはない。子供を作るための結婚でもない。
だからこそ「納得できる相手をじっくり選んでほしい」と代表の川上は話す。